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　　　 2月に歌舞伎の記事を上げた際、次は隈取りについてとお約束をしたので。
まず隈とは陰影のことで顔に線を引くわけではなく、顔のおうとつ乃至血管の盛り
上がりによって生じる陰影をすじによって表現する訳で従ってすじの一方の端は影
のようにぼかします。最もお馴染みの隈取りは某○谷園のパッケージのあれですが
筋隈といいます。「暫」の主人公とか道成寺で触れた「押戻し」の役で用いますが
最も複雑で美しい隈で、取る（隈は取ると言います）のもむつかしいもので正義の
役が悪に対して怒りを燃やしている状態を示します。最も歌舞伎らしい隈ですね。
　　　その対極にまなじりから眉じりにかけて取るむきみがあります。これは粋で
色気のある隈でやはり正義漢ですが、いなせで女性にももててカッコいい役の為の
隈で、代表は「助六」です。　　これら正義の役の隈は紅ですが、悪役の隈（ある
んです）は黒もしくは藍で鬼火のように見えます。
　　　隈取りはまさに歌舞伎を表わす最も一般的なアイコンと言えますし美しいも
のでもあります。皆さんも歌舞伎の書籍や写真に触れる機会があったら、是非ここ
に着目してはいかがでしょうか。



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