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椿
2018/09/19
金田一温泉郷に女将が一人で切り盛りする焼き肉屋があった その庭には椿が2本 ピンクと白である
ある時その椿をくれるという 高さが2メートルに近い 双子ちゃんのようにぴったり寄り添っていて1本の木のようだ 移植の時期を植木屋さんと相談して私の草畑に植えた 根付くまで気がかりだ 二年目に入りピンクが枯れた ひこばえが伸びた ピンクか白かわからない 数年したらそのひこばえにピンクの花が咲いていた 花の数は少なかったが大きく咲いていた 白の椿も花をたくさんつけた 
その年椿の実が出来ているのに気付いた 木の下には沢山実が落ちていた どれか芽を出してくれと祈った
そのピンクの椿に目を付けた花好きのご婦人が枝を欲しいと言ってきた 好きなところを取っていくように伝えた ご婦人はお返しに自分の持っている椿の枝を2本持ってきて交換ですと言った
挿し木をしたが1本は失敗した 
今年も椿はたくさん花をつけた そうだ 種はとうなっているか実が出来ているか見に行った 椿の芽が出ているのは探せなかった 木の枝には実がどこにも見当たらなかった
何が原因かわからない あんなに沢山咲いたのに

椿をくれた焼き肉屋はその後店じまいをし 女将さんは息子の所へ行っていたが 病で亡くなっていた この椿は女将さんの形見となった この木がある限り女将さんのことを思い出す