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旅への一歩
2018/09/25
4年前にお泊りいただいたS様 わらしさんに会いたい思いで 再び車中の人に

ご両親様は相次いで亡くなり職場では40年もの永続勤務者でベテランである が さみしい
わらしさん人形が運よく申し込み後すぐに授かることが出来て ご両親様と一緒に毎日のお供えは欠かさない 人形さんがおそばに来てからはさみしさは 軽くはなったが どうも日々の運が順調ではないと感じるようになった
そうだ! 金田一温泉のわらしさんの所へもう一度行ってみよう と思い立ちさっそく予約を入れたのだった

仕事は同じ職場で働き続けている が 人生のんびりしすぎたようで 小言を言ってくれた母も居なくなり 計画的に年代を考えて行動をしてはいなかったことが悔やまれた
仙養舘に着いたとて何をする目的も考えてはいない
ただわらしさん人形を家に一人置いてくることは忍びなく 連れてきてしまった ことが気掛りだ

女将さん今回留守をさせるのがかわいそうでわらしさん人形を連れて来たんですけどいいでしょうか?と袋から取り出してまたさらに箱から出した そのしぐさは 閉じ込めていてごめんねと言わんばかりに大事に大事に出して見せた
ああ 早池峰山のわらしさん人形さんネ 良く授かりましたね 何年も待ちと聞いてますよ
女将さん これ本当に不思議だったんですが 自分にはすぐに授かったんです
そうでしたか それじゃ 大事になさっているのでしょうね
ハイ 日々のお供えは両親と一緒に欠かしません 
そうですか 幸せな人形さんですね ここのわらしさんも喜んで遊ぶと思いますよ
S様の気掛かりが一つ無くなり温泉に浸かって ゆっくり食事をとった

ロビーに女将さんが見えたのでと 話しかけてきた
S様は日々の思いをいっぱい話した 私も話を聞くことで学ぶことが多い だから聞くことはいやではない
次の日もS様は思いを続けた その後 やっぱり来て良かったです こうして話を聞いてくださって
今回のわらしさんへの旅は 温泉に入り のんびりして 自分を見つめ直すいい機会になりました

そうなんですよ 旅に出るその一歩は いつもの生活を離れて 違う世界に自分を置くためなんですよ
女将さん わらしさん人形もここのわらしさんと沢山お話をしたと思います
本当に来てよかったです また来ます と笑ってくれた