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ようやく春の兆しが見えてきましたね。歌舞伎で春と言えば何と言っても道成寺です。
桜満開の背景に幕開きの　”聞いたか坊主　”ののほほんとしたやりとり（この坊主に他の
演目に出演している幹部級の俳優が出るのをご馳走といいます）そしてきらびやかな主演の
花子（はなごと読みます）の登場。さっそく踊りが始まります。この舞踊中、場面場面で
引抜きによって次々衣装が変わり、持ち道具も変わって華やかな展開。まさに眼福といえる
演目でしょう。恐ろしい日高川伝説をベースにしているとはとても思えません。
　　最後に花子が鱗の衣装になって鐘の張り物に登って決まるのがそれらしいといえば言え
ますが。その場に筋隈を取って引き抜いた竹を抱えて、蛇体となった花子を舞台に押し戻す役
の出る演出もあります。実は私は隈取りが大好物なのですが、この件については又いずれ。
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