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兄と弟
2018/09/05
五行歌の歌集を下さったK様には二人の兄がいた
下の兄は少し気が強いように感じてはいたが意外とそうではなかった
わざと強気でいたことに気付いた それは長兄に心配をかけないと内心決めていたように思う
実は彼は複数の病を持っていた いつも話しぶりが強気に聞こえるので大したことが無いように感じてしまう それが彼の本当の望みだったからでもある
入院した時も長兄が見舞いに行きたいがと言うと 来なくていいと強がった
このへそ曲がり せっかく心配してるのに と誰もがそう思ってしまう
はたから見ると兄弟仲悪いのかとさえ思ってしまう

そんな彼が実は気が強い人間ではないと感じたきっかけは 妹のK様の死を話した時だった
一番下のK様が先に逝った それはどのきょうだいでも悲しいことなのだが Kが逝って一番力を落としているのは兄だろう と 本当にいつもの彼ではないように思え 心から兄を気遣った言い方をした
しかも彼自身もすっかり気落ちした顔なのであるしょんぼり下を向いていた

私はお節介をした
K様のお悔やみを述べる手紙に 次兄の彼があなたのことを本当は心配していたこと あの時話した彼の様子を書き送ったのです
手紙を読んで 次兄を本当はわかっていなかった 気遣ってくれていたとわかり なだっこ(涙)が出たよ これも長兄の照れ隠し 突然二戸弁で言う

K様の死は私も悲しかったが 兄弟がわかり会えたことが 良かったと思った
その後次兄の彼も K様の後を追うように 風になってしまいました
ご葬儀にはきょうだいのうち一人残った長兄が 次兄家族に助力を注いだことは言うまでもありません
悲しい出会いも 宿屋ならではで あるように思います